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水島家の娘

 麗奈「嘘でしょ…!?多分これね…。」

 天秤の先の子供部屋を探索していると、固まった人間のような物体が座り込んで残されていた。

 よく見ると、D型被験体の腕がくっついている。

 少し固まっているが、私は引き抜く。

 これで血清の材料が揃った。


 私は旧館を出ると、すぐにトレーラーへ向かった。

 そこで諒と落ち合うはず…。

 しかし、諒の姿はどこにもなかった。

プルルル…

 電話が鳴ると、私は受話器を取り出す。


 麗奈「ねえ、どこにいるの?…あ…、やっぱりいいわ。」

 麗奈「あとはあなたが持ってる頭だけね。これで血清が作れるんでしょ?」

 私はD型被験体の腕を取った事を伝えようとしたが…。


 愛梨(電話)『おっすあいぼー!』

 愛梨(電話)『あんたに言っといてやるけどさ、兄貴は今ちょーっとお休み中なんだよねー!』

 愛梨(電話)『冬斗と一緒にあたしんとこにいるからね!まあ~そう心配しないでよ!二人とも仲良くやってるからさ!』

 電話に出たのは諒ではなく、水島家の娘のの愛梨だった。

 私達が血清を作ろうとしていた事を知られてしまった。

 麗奈「今すぐ二人を離して!どうするつもり!?」

 私は愛梨の調子に腹を立て、強く言い張った。

 愛梨(電話)『そんなの教える訳ないじゃん!それはあたしら家族の問題で、あんたにゃカンケーない話よ。わかるっしょ?』

 愛梨(電話)『いい?この頭が欲しかったらあたしんとこまで来てみなよ。そしたらくれてやってもいいよ!?』

 愛梨(電話)『で~も!その前にあんたにやってもらうよ~?ちょっとしたゲームをね!あんたのために考えてやったんだからさー!』

 麗奈「…ゲームですって?」

 愛梨(電話)『うん、そうだよ!ワクワクするっしょ!?そう焦んなって!ゆっくり楽しませてやるからさ!』

 愛梨(電話)『まず最初にやる事言うよ?あいぼー、その冷蔵庫の中に何が入っているか見てみ?』

 麗奈「ふざけんじゃないわよ!」

 愛梨(電話)『ちょっと何~?しらけさせんの~?もっとゲーム楽しもうよー!』

 愛梨(電話)『いいから早く冷蔵庫見てみなって!』

ガチャッ!

 愛梨は調子に乗った口調でそう告げると、強く受話器を戻した音が聞こえた。

 麗奈「…チッ。」

 私は怒りが収まらず、舌打ちをした。

 とりあえず、愛梨の言う通りに冷蔵庫を開けてみる。


 開けてみると、中には最初に出会った保安官補佐さんの写真が入っていた。

 裏には汚い字でこう書いてあった。

 「地下の解体室でポリ公が待ってるよ。」

 どういう事なのか、私にはさっぱりわからなかった。

 とりあえず、その解体室に行ってみる事にした。


 解体室に来た訳だが、何があるのだろうか?

ガチャッ…

 ドアを開けてみると、頭が変わり果てている死体が台の上に乗ってあった。

 近くには、「ヘビの鍵」があった。


 愛梨『それを持ってれば、2枚の基盤を探すのに役に立つよ~?んでもって基盤があれば楽しいパーティーに参加できるってワケ!』

 愛梨『まあせいぜい頑張んなよ麗奈!』

 スピーカーから愛梨の声が聞こえた。

 まず、ヘビの鍵をどこに使うかを調べてみる。


 本館にまだ開けていない部屋が一つある。

 ここでヘビの鍵を使うんだ。


 入ると、子供部屋のような部屋だった。

 机の上にあった日記らしき本を読んでみた。

 字は汚いが、じっくり読んでみる。


よんがつ…にち
ままにまちのびょーいんにつれていかれた へんなきかいであたまのしゃしんをとられた おもちゃやでにひゃくごじゅーきゅーこめのぱずるをかってもらった
よんがつ…にち
おともだちのゆかなちゃんにあなたのあたまはびょーきねってからかわれた
よんがつ…にち
ばーすでーぱーていーってうそついてゆかなちゃんにおうちによんだ やねうらにあがらせてからりもこんでとじこめた ゆかなちゃんはないちゃって だしてよあいりちゃん だって
よんがつ…にち
おにーちゃんがかってにはいらないよーにりもこんをかいぞーした はつめーたいかいのとろふぃーとがったいさせたからぜーったいみつからない


 これはどうやら、愛梨が幼い頃の日記らしい。

 愛梨は何故昔からこんな酷い事を…?

 別の机にもう一冊日記があった。


よんがつ…にち
ゆかなちゃんはしずかになった たまにてんじょーからこんこんとおとがする
ごがつ…にち
すごくくさい やねうらからへんなしるがたれてる りもこんのとろふぃーをまたかいぞーした これでよるもぴっかぴか


 愛梨…、あなたは一体…?

 訳がわからなかった。

 一冊目に「はつめーたいかいのとろふぃーとがったいさせた」と書いてあったが、本当にそうなのかと思い込み、トロフィーを調べてみた。


 すると一つ、何かがある。

 取ってみると、カチャカチャと音が鳴り出した。


 天井から梯子が現れた。

 これはもしや、愛梨が改造したもの…?

 上ってみる。


 屋根裏に着くと、中途半端に開いていたクローゼットが、目の前にあった。

 中には、「バースデイ」と書かれたビデオがあった。

 そしてもう二つ、何か赤色と青色の基盤らしき物が残されている。

 愛梨の言っていた基盤はこれの事…?

 それと、ビデオも気になるところなので、冬斗のビデオを見た所で、バースデイビデオを見てみる事にした。

 これは何が映り込んであるのだろうか…。

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