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愛梨の罠1

 鉱山内部を探索していると、隊員が牢屋にいたのが見えた。

 慎太郎「おい、大丈夫か!?」

 隊員「…藤咲か…?」

 慎太郎「待ってろ、鍵を捜してそこから出してやるからな。」

 これも愛梨の仕業だな。

 よく見ると、その隊員は腕が封じ込められており、身動きが取れない状態となっている。

 俺はその場を離れ、鍵を捜した。


 ボタン式の扉を開けると、多数のモールデッドがぞろぞろと現れた。

 慎太郎(…たく、手間のかかる奴等だ…!)

 俺は武器を構え、撃ち抜いた。


 全て倒し終えると、奥にクランクがあるのが見えた。

 もう一つは、歯車。

 何かの部品だろうかと手に取ってみると、側に機械があった。

 俺はこれにクランクと歯車を嵌め込み、作動させた。

 慎太郎「これでいいだろう。」

 クランクを回すと、何かが降りてきた。

 ガラクタが入った箱だ。

 すると…。

 『グギヤアァァアッ!!』

 奥から何かが迫ってくる。

 さっきのモールデッドより遥かにでかい、太った敵だ。

 慎太郎「こいつは一体何だ!?」

 本部『わかりません、新型のようです。十分注意してください!』

 これも愛梨が作り出したのだろう。

 やむを得ず俺はそいつを撃ち抜く。


 が…。

 『警告:高再生能力のため、攻撃無効。』

 本部『この白い新型は異常な再生力を持つようです。普通の銃弾では殺せません…!』

 どうやら攻撃は効かなかったようだ。

 何度撃っても、その傷はすぐに消えていった。

 慎太郎「…ならどうすればいい…!?」

 本部『再生を阻止するラムロッド弾があればいいのですが、今は撤退してください。』

 ラムロッド弾か…。

 今はそんな優れた弾は持っていない。

 俺はその場から離れた。


 すかさず牢屋の鍵を見つけ、俺は隊員の所へ向かった。

 慎太郎「もう大丈夫だぞ。」

 隊員「これが奴の狙いだ…。俺はエサだ…。あんたは罠に掛かった…!」

 慎太郎「…何…?」

 隊員の様子が変だった。

 罠だと?

プシュウゥ…

 牢屋の中からガスが吹き出してきた。

 これは…E型特異菌だ…!

 慎太郎「!?…くそっ…!」

 隊員「俺のマスクの…フィルターを使え…!早く!」

 慎太郎「それじゃお前が…!」

 隊員「いや、いいんだ…。どうせ助からない…。」

 もう、諦めかけていた。

 愛梨『そいつの言う通り!よーく見てなよ!?』

 すると、愛梨の高らかな笑い声がし、耳障りな物音が聞こえた。

 上を見ると、隊員の頭の上にあった刃が回り出した。

 慎太郎「愛梨!やめろ!!」

 隊員「うあぁ…!ぐわあぁぁぁぁぁあッ!!」

 隊員は無惨にうなじから切られた。

 大量の血を撒き散らし、更には首が取れてしまった。


 慎太郎「…すまない…。」

 俺は大量のマスクについていたフィルターを外し、自分のマスクにつけた。

 マスク越しの隊員は、まるで魚のような目でこちらを見つめていた。

 これが、愛梨の罠か…。

~続く~

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