日常 | 文字数: 420 | コメント: 0

Sphere

眼前に佇むは星空、胸中に広がるは暗黒。 僕は、星の輝きを奪った人間たちが許せない。 許せないと力強く思う反面、今を生きている人間に対して赦している。 そんな自分の曖昧さに対して、僕は僕に叱りつけることも無く奔放とさせてきた。 けれど、星を眺めている時だけは強く思う。 星の輝きを奪った人間たちが許せないってね。 夜光に身を委ねながらフラリと酔ったような足つきで立ち上がった。 もう我慢できない。殺してやる。 僕は、走った。 誰でも良いから殺そうと。 僕は、走った。 誰でも良いから自然のために殺してあげようと。 僕は、走った。 誰でも良いから星の輝きを奪った人間共に報復してやろうと。 そして、見つけた。 僕は其奴の首を両手でガシッと掴んで爪で肉を抉るように絞め殺してやった。 眼前に佇むは星空、胸中に広がるは光明。 僕は、きっと許さない。いつまでも、いつまでも。

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