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バースデイビデオ

ピーー…

 私は、先程手にしたバースデイビデオを見てみた。


 愛梨『へへ~…、あいぼー、あんたマジさ、ラッキーな奴だよ。』

 愛梨『いやマジ、あんたが羨ましい。』

 愛梨『…え?信じないの?』

 愛梨『嘘じゃないって!絶対楽しいから!』

 愛梨『これは、あたしが一週間かけて作ったんだよ。で、やっと完成したの!あんたのためにね!』

 愛梨『ちょっと何?やめてよ。そんな顔しないで。』

 愛梨『絶ッ対面白いから、楽しんでってねー!』

バタンッ!

 誰かを招待したのかしら…?


 愛梨『このゲームはね、「辛くて苦しい死に方をしたくなかったらここから脱出しないとゲーム」っていうの!まあ名前はまだ仮だけどさ!』

 愛梨『ルールは簡単!蝋燭に火を着けてケーキに挿すだけ!』

 愛梨『いい?ちゃんと笑いなよ?あんたのパーティーだからさ!』


 『イカレ野郎!』


 『勘弁しなさいよ…!もう…、汚いなぁ…!』


 そこから風船やら何やら…、様々な物が映り込み、様々な被害が受けられた。

 そして…。

ガチャンッ!

 『…!?何よこれ…!何する気!?どうなってるの!?やめて…!やめて!やめてえぇ!!きゃあぁぁぁあッ!!』

 『えぐっ…!何するのよ…!!』

 この声からして、女性だ。

 もしかすると、脩司に殴られたあの屋敷で見たビデオのカメラを担当していた、如月って人かもしれない。

 聞き覚えのある声だった。

 その人の腕に、傷で「LOSER」と書かれていた。

 敗者…って事…?


 しばらくすると、不気味な音楽が流れ始めた。

 『落ち着いて…。落ち着いて…。』


ドーーーンッ!

 『きゃあぁッ!』


ボワアァッ!

 『…!?うぐぅ!うあぁ!!』

 『もう!何よ!やめて!!くそ!お願いやめて!ああもう!!誰か助けて!!!きゃあぁぁぁあッ!!!!』



 愛梨『お?お?おぉ?あははは!』


 愛梨『ハッピーバースデー!』


 映像はここで終わった。

 衝撃的だった。

 愛梨が言っていたパーティーとは、これの事なのか。

 許せない。

 こんなのパーティーとは言えない。

 私は、愛梨に嫌味を感じた。

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