頭の中のゴミ箱フォルダがたまってしまったので、一度取り出してきれいに掃除しようとおもった。 頭のネジをはずして、記憶を取り出すとしっぽのところにあるフィルターを引き出した。 やはりゴミ箱フォルダは満タンになっていた。 不要な思い出は溜まれば溜まるほど、他の記憶容量が小さくなっていく。定期的にゴミ箱フォルダは空にするべきだ。 即座にゴミ箱フォルダの中を一掃した。完全に削除すれば完了だ。これで、新たな記憶がスイスイと記憶できる。 ホッと胸を撫で下ろすと、頭のネジを締めた。 ところがどうしたものか、依然として物覚えが悪い。病院に行って検査を受けたところ、記憶収納最大量が若かりし頃の半分になっていた。 やはり歳には敵わぬ。最近は、ゴミ箱フォルダの記憶さえも捨てるのが惜しい。