プロローグ2
※プロローグ1の続きです。
少し落ち着いた私は、映像にあった通り、暖炉に向かった。
暖炉には、まだ鎖が残っている。
おそるおそる私は鎖を引くと、同じように仕掛けが動いた。
確か、映像でも地下に行ったような…。
まだ梯子が残っている。
そーっと梯子に足を掛ける。
少し下に降りると…。
バキッ!
麗奈「きゃっ!!」
梯子に足を掛けた瞬間、梯子の一部が折れてしまった。
抵抗しながら私は折れてない梯子を掴もうとしたら…。
バキキッ!!
麗奈「うあッ!!」
再度梯子が折れ、落ちてしまった。
背中を強く打った私は、痛みを抑えながら立ち上がった。
麗奈「…くそッ!」
もう戻れない。
先に進むしかないと、私は思った。
少し進むと、その先の道のりは汚水で沈み込まれていた。
私は、もう服なんて濡れてもいいと思い込み、汚水に入った。
狭い。
上を見上げると、今は床下らしい。
地下だからかな…。
汚水の道のりを進んでいく度に、どんどん狭くなっていく。
辺りはゴポゴポと泡立て、汚水の中に何かがいるような感じがした。
私はその先の板の天井を潜り抜けると…。
ザパアッ!
麗奈「うわッ!!」
ザブンッ!
汚水の中から死体が浮かんできた。
私は突然の出来事に足を躓かせ、汚水の中に勢いよく潜り込んでしまった。
麗奈「ゲホッ…!ゲホッ…!」
汚水が口の中に流れ、咳き込む私。
それにしてもこの死体…、さっきの映像の宮城って人かな…。
そのうえ、死体の目や口などの中には、生きた虫がうじゃうじゃと動いていた。
気持ち悪い…。
死体をスルーして、ようやく汚水から上がった。
先に進むと、牢屋らしき通路に出た。
明かりが見える。
私は明かりの近くまで来ると…。
麗奈「…冬斗…!」
弟の冬斗がいた。
牢屋の中で寝そべっているかのように、ベッドの上で倒れていた。
しかし、牢屋の扉には鎖で閉ざされている。
私は、何か鎖を切り離す道具はないかと、辺りを探した。
すると、机の上にチェーンカッターがあった。
私はそれを手にし、牢屋の鎖に近付いた。
ガチャンッ!
チェーンカッターで鎖を切ると、即行で冬斗に近付いた。
麗奈「冬斗、見つかって良かった。私だよ。お姉ちゃんだよ。」
冬斗「お姉ちゃん…?…お姉ちゃん…!」
麗奈「大丈夫?」
冬斗は起き上がると、私の顔をじっと見詰めた。
冬斗「…どうしてここにいるの…?」
…え…?
冬斗は何を言っているのかわからなかった。
麗奈「どういう事…?あなたが呼んだんでしょ?」
冬斗「違う、僕じゃない!…僕が…?」
冬斗は何やら動揺している状態でいた。
すると、冬斗はハッとなり…。
冬斗「誰にも見られてない?あいつには?」
麗奈「あいつ?他に誰かいるの?一体何があったの?」
冬斗「あいつが来る。早く逃げないと。」
麗奈「あいつって…。」
冬斗「今すぐ逃げるんだ。早く!」
私には理解ができなかった。
冬斗の言っていた「あいつ」の事が。
麗奈「どこに行く気?」
冬斗「安全な場所だよ。」
麗奈「どういう事か説明して。」
何を訊いても、冬斗は動揺したままだった。
すると私は、話を変えた。
麗奈「…あなたは、3年も行方不明だったのよ。」
冬斗「…3年も…?もうそんなに経ってしまったの…?」
冬斗は自分が長い間、行方不明だった事に記憶がなかった。
少し進むと、冬斗は立ち止まった。
麗奈「どうしたの?何、この場所。何をされたの?」
冬斗「後にして。まずはここを出ないと。」
冬斗は、私の質問に拒否をする。
まずはこの屋敷から出る事から専念しているらしい。
冬斗「あ…、確かこっちのはずだった。」
冬斗は通路を思い出させる。
前に通ったのかな…。
麗奈「冬斗、説明して。あなたのメッセージで…。」
冬斗「僕じゃない。僕は知らない!」
麗奈「呼んだんでしょ?」
冬斗「呼んでないよ!」
麗奈「…わかった。じゃあ、ちゃんと話して。」
冬斗「僕が知ってる事はもう全部話したよ。」
冬斗「…こっちに行こう。」
本当に記憶がないらしい。
冬斗に、一体何があったの?
麗奈「冬斗、そっち合ってるの?」
冬斗「…あの一家が食事を運んできたから、覚えてるんだ。」
その事は覚えてるらしい。
でもあの一家って、一体誰なのかしら…?
私にはわからなかった。
冬斗「ここだ、ここだよ!」
ようやく出口かしら?
しかし、結構遠い所にあるのね…。
私は、足が既に疲労している状態だった。
冬斗「…ここだよ。」
冬斗が扉を開けると、何かしらの部屋に着いた。
冬斗「ドアがあったはず。間違いない…。」
冬斗はそのまま前進すると…。
冬斗「…!…ドアがない…!?なくなってる…!なくなってるよ!!」
どうやらここにあったはずのドアが消えてしまったらしい。
ドアが消えるなんて、現実では有り得ない事だった。
冬斗は疲れきった状態で、振り向いた。
冬斗「…お姉ちゃんが来てくれたから、家族になれるんだ。」
…え?
冬斗「ここにドアがあったの…、信じてくれ…。」
冬斗は近くのソファに座り込んだ。
出口を探すのに必死で、疲れきったせいかな…。
麗奈「…冬斗。」
冬斗「…早く逃げないと…。」
私は、冬斗の背中を擦った。
麗奈「ここにいて。いい?出口を探してくるから。」
私はそう言うと、冬斗から離れた。
私は近くの部屋に入って探してみると、床に人形が落ちていた。
人の人形だった。
何故こんなものがここに…?
冬斗の声『うわ!やめろ!離せ!!』
冬斗の声がして、私は振り向いた。
麗奈「冬斗…!?」
誰かに襲われた?
私は冬斗を探しに、後を追い掛けた。
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