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Chapter4 血戦①

 「…妙な奴に遭遇した?」
 「うん。ハンマー持ってて、それにとち狂った奴。涼介は何か知ってる?」
 現在、午前9時。
 私は昨晩にあった事を涼介に話した。
 昨晩のあの怪物のような人間…涼介なら何か知ってるんじゃないかと思っていた。

 「それは多分…、「ハングマン」だな。」
 「…ハングマン…?」
 「俺も詳しくは知らねえが、小耳に挟んだ事がある。
 昨晩姉貴と若葉が遭遇した奴は、名前はハングマンだ。それにまだ歌舞伎町にいたとはな…。」
 「まだ…って事は…、以前にもいたって事?」
 「ああ。誰かが以前既に始末したようだが、どうやら次々現れているらしいな…。」
 「ハングマン」。
 名前からしてもう既にヤバい。
 この先どこに現れるのかもわからない。
 「そのハングマンは、大屋が作り出したものなのかな…。」
 「それが大屋と関係するかはわからねえ。でも、ハングマンがここに現れたのだとしたら、俺も黙ってられねえ。
 もしまた現れたなら、俺も協力するぜ。」
 「うん。そうだと助かる。」
 仲間が2人いるだけでも心強い。
 私はそう思った。



ウウウウウゥ……
 「…!」
 サイレンが聞こえる。
 「何かあったの?」
 「それを今から確かめに行くんだろ。」
 そう。私達がやるのはただ一つ。
 現場に向かう事だ。
 もしかすると、そこに大屋がいるかもしれない。


 「準備はいい?」
 「うん!」
 「早く行こうぜ。俺はもう現場見たくてうずうずしてんだ!」
 「よし、行くよ!!」
 私はそう告げ、マンホールを勢いよく開けた。


 「これは…!」
 外に出ると、街の人々が悲鳴を上げながら、一斉に逃げているのがわかる。
 「やべえな…。こりゃあ地獄絵図だ!」
 「お姉ちゃん!」
 「わかってる…。まずは大屋を探す所から!
 見つけ次第、戦闘準備に入るよ!」
 「ようやくお出ましのようだな!」
 「2人とも、行くよ!!」
 私はそう指示を出し、一斉に走り出した。



 「姉貴!見つけた!大屋だ!!」
 「…!」
 あの後ろ姿…。一致してる。


 大屋佐江子だ。


 「大屋!」
 呼びかけると、彼女は私達の方へ振り向いた。
 「あら、誰かと思えば松浦じゃない。」
 「今回の件…、あんたの仕業?」
 「…だったら何?」
 「もし本当にあんたの仕業であれば、ここで始末するしかないと思ってね。」
 この前言っていたように、大屋を捕まえられないようじゃ私達の負け。
 ならいっその事ここで終わらせてやる。
 「…あら?」
 すると大屋は、涼介の方に向いた。


 「…あんた、西園寺じゃない。やっと見つけたわ…。」
 「……。」
 「…?」

 …え?

 まさか大屋、涼介の事を知っているの?

 「涼介…、どういう事?」
 「……。

 …姉貴、その話は後だ。」
 「…わかった。終わったらちゃんと話してね。」
 気になる所だけど、今はそれ所じゃない。
 「うだうだしてないで、さっさとかかって来なさいよ。
 それとも…、怖気付いたのかしら?」
 「…言われなくてもわかってる。」
 大屋の煽りに少しイラッときた。
 相手は大屋の他に、手下が数多くいる。
 ここは斬裂刀の出番かな。

 「あんた達3人、皆殺しにしてあげるわ!!」


 「皆…、行くぞぉっ!!」

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