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Chapter4 血戦②

 「…ほら、これでおしまい。」  「くっ…。」  大屋との戦いはこの前もあったから、大体の動きは読めた。  大屋を薙ぎ倒し、私は大屋の腕を掴む。  「…ふんっ、それで勝ったつもりでいるの?」  「…は?」  大屋はそう言うと…。 ジャキンッ!  「…!危な!?」  突然、大屋は大型のナイフで切り付けてきた。  なんとか避けれたが、避ける衝撃で大屋の腕を放してしまった。  「そんな簡単に私を倒して、軽く腕掴んで勝ったようじゃ…、  あんたはまだ、私を捕まえる事を甘く見てるわ。握ってる感じが弱々しいのよ。」  「大屋…!」  くそ、腕力が足りないというのか。  でもそんな強くできる方法は見つからない。  「残念だったわね!また私を捕まえられなかった!これで2対0ね!!」  「…また私達が負けたんだね。」  「それと西園寺、今回は見逃してあげる。次はあんたの命がないと思いなさい。」  「……。」  大屋はそう告げ、さっさと行ってしまった。  「…涼介。」  「…!」  「大屋と、どういう関係なの?」  私は怒ってる訳ではないが、険しい表情をしてるだろうな…。  でも、さっきの発言がどうしても気になる。  「…それを今から話す。巣に行ってから説明するよ。」  そうして私達は、巣へ向かう事にした。  現在、私の巣。  ここで涼介についての話を聞く。  「…あんたの知ってる事は全部話してもらうよ。  あいつとはどういう関係なの?」  涼介は下を向いたままだが、口を開く。  「…これだけは話しておこうかと思ってな。」  「ん?」  涼介から出てくる言葉…、しっかり聞いてあげるとしよう。  「…俺さ、姉貴達と出会う前は、ある軍団に入ってたんだ。  それは姉貴も若葉も知ってる軍団だ。」  私と若葉が知ってる軍団…、思い当たる節は…。  「もしかして…、大屋軍?」  「…ああ。そうだよ。」  …やっぱりそうか。  だから涼介は、大屋と面識があったのか。  「じゃあ今は大屋の命令で、私達を始末しろと?」  問題はそれ。  もしかすると、涼介は大屋の命令を聞いて、松浦軍に入ったのかもしれない。  「いや、別にそういう訳じゃねえんだがよ。何の命令も聞いてねえ。」  「…え?」  命令を聞いてない?じゃあ何故大屋とは面識があるのだろうか?  そして、涼介は話を続けた。  「俺はな、大屋軍から脱退したんだ。」  「…脱退…?」  大屋軍から脱退。  つまり、大屋軍の手下になる事を辞める。大屋軍から抜けたって事になる。  「ああ。俺が大屋軍に所属していた時の事を、今から話すけどな。  …長くなるけど、いいか?」  「うん。」  それで涼介の事がわかればそれでいい。  じっくり聞いてやるとしよう。  「俺が大屋と最後に話したのは、1ヶ月前ーーー。」

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