ジョーク | 文字数: 981 | コメント: 0

絶望屋

歌舞伎町の路地裏にはヒッソリとたたずむお店がある

中に入ると、薄汚れた壁にメニューが貼られている

((+_+))失恋による絶望
((+_+))夢破れて絶望
((+_+))金銭問題による絶望
((+_+))監禁や拷問による絶望
などなど

カランコロン

おやおや、お客さんが来たようです

「いらっしゃいませ」
「こんにちは」
「今日はいかがしましょうか」
「失恋系の軽いのないかしら」
「では、これなんていかがでしょう」

((+_+))ちょっといいかなおもてた人との失恋による絶望10,000円

「うーん、そうですね、もう少しだけ重い方がいいです」
「では・・・」

((+_+))1年付き合った人との失恋による絶望100,000円

「急に、高くなるわね」
「仕方ありません、絶望を重くすると、こちらも手間暇・経費がかっておりまして」
「分かりました、では、それいただこうかしら」
「毎度、ありがとうございます」

女性客は店の奥の間に入っていた

カランコロン

「いらっしゃいませ」
「おじゃまします」
「今日はいかがしましょう」
「ふむ、どん底がほしい」
「では、これなんていかがでしょうか」

((+_+))リストラ、自己破産、家族離散、闇金業者に追われる、ホームレスによる絶望900,000円

「いいですなあ、これください」
「毎度ありがとうございます、期待してください、こいつは効きますよ」

恰幅のいい中年男性は店の奥に入っていった

カランコロン

「いらっしゃいませ」
「あの・・・、生贄にされるみたいなのありますか」
「ああ、はいはい、それでしたら、いいのあります」

((+_+))生贄に抜擢、村人達にす巻きにされて川に流され、滝から落ちる2,400,000円

「わあ素敵、これです、これです、わたしこういのがほしかったのです」
「毎度ありがとうございます、これは村人全員から殺されるようなもの、強烈ですよ、お嬢ちゃん、心臓大丈夫ですか」

西暦2100年、今日もバーチャル絶望体験屋は、絶望の心情を知りたい作家達で大賑わいなのでした

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