わしは短編小説の妖精じゃ!ハッハー!わしを押してみ?
「りんごとミカンどっちが好き?」 8歳年上の兄の輝夫が幼き頃のミチに聞く。 「あのね、バナナ」 すごいのが生まれたなと輝夫は思ったそうだ。 ⚘ あれからきっと60年くらいたった。 息子のタロウが一緒にクリニックへ行ってほしいと言ってきた。 ミチはなぜもっと楽しいところに誘ってくれないのか恨めしく思う。 ⚘ クリニックの医師は院長だというけど、 ミチにはラクダのようにみえる。 その顔でタロウの幼児期のエピソードを聞きながら、 「不器用さが発達障害の特徴でもあるのですよ」という。 ミチには自分の不器用さを受け継いだタロウのこの無能さが、 なぜ発達障害というレッテルを貼られようとしているのが解せない。 ただ息子は苦しんでいるのは確かだ。 息子が発達障害ならこの私だってそうなのだろう。 ふつうではなく生まれ、育つということはややもすれば苦しみを伴うものらしい。
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