三題噺 | 文字数: 511 | コメント: 0

泡沫と彼

息子は中3になり、もうすぐ高校生になる。

これでもわたしは、愛情いっぱいに育ててきたつもりである。

この十数年、私は女を捨て、他にもいろいろと捨て、ただ母として生きて生きた。

例えば、寝る間を惜しみ、オシャレを惜しみ、息子の健やかなる育成に、全てを注ぎ込んだ。

編み物をしたり、洋裁をしたり、子供に体質の改善を研究したりと。

わたしは、とにかく、子に愛情を注ぐことこそが、子の健やかなる成長につながるものと信じて、頑張ってきた。

ここまで書くと、この話は、愛情を注いだわりに、息子はグレてしまった。ような話に展開することを期待されるかもしれない。

残念ながら、確かなる愛情を注いだ息子は真っすぐ育成して、誰もがうらやむような青春を迎えている。

そうそう。

子と言うものは、愛情を注げば注ぐほど、光り輝くものなのだ。

問題なのはわたしである。

自己満足ながら、自分を犠牲にしてまで、子を立派に育て上げたのだ。

もう、許して!!


自分の人生は何?

もし、彼を愛して、自分に【罪悪感】を感じているなら、泡沫でもいいから、愛を信じて死にたい。

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