旧同タイトル | イベント: 同タイトル | 2018年8月 | 文字数: 548 | コメント: 0

麦茶をもう一杯

時代は20世紀 色とり取りなネオンが彩めく不夜城 バブル期と呼ばれる時代があった 今で言うダブルワークで 深夜仕事明けのボーイがパブに立ち寄る。 グランドピアノに基地の街 摩天楼の夜景が映える AM 3:98 空きそうなロックグラスに ビデオディスク薔薇の画面が 琥珀色のそれ ロックアイスに拡散する 消したばかり… また一本 ソブラニーの煙草に火を付ける 「カラン♪」 マスターが…も一つ バカラグラスをそっと置く 「あちらのお客様からです」 真紅のドレスと白いスーツ 若様だ… お得意様 さっきのグラスの麦茶を 胃に流しこみ バカラのグラスをあげて 深々と会釈した 若様、俺のグラスまで目を配る 出来る男には 真紅のルージュがお似合いだ マスターに 今日のお連れさん何時もに増して…妖艶 と…伝えて戴いた +++ おっ… ロックったって brandy じゃ 無いんだぜ そう 酒はもう卒業したんだ 俺… +++ 真夜中の晩酌は…麦茶? 鉄工所

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