シリーズ | 文字数: 757 | コメント: 0

サンタが与えたもの ~ season2 ~ 第一夜

【前回までのあらすじ】  クリスマスを1週間後に迫った17日に、交通事故で意識不明となった彼女こと枡野愛。  枡野の意識を取り戻すべく、祈るために寄った教会で、サンタクロースと名乗る白髭の爺さんと出会う。   そして、そのサンタクロースと手により、栗栖聖也自身の命と引き換えに、枡野の意識を取り戻したが、記憶を喪失していた。  さらに、栗栖の胸には銃痕が。  そんな意識を取り戻した枡野に近付いたのは、暴力が原因で別れた、黒井三太だった。  そして、黒井こそが、自身の胸に空いた銃痕の原因であることを、サンタクロースから伝えられる。  栗栖聖也の運命やいかに・・・  枡野愛の退院日。  栗栖聖也は隣にいたが、誰も気づかない。  そしてもう一人、隣にいたのが黒井三太。  黒井は、年を跨がずにして、サンタクロースとの契約を破ったために、妻とは離婚していた。  が、それもこれもこの日のためだった。  幸運なことに、枡野は記憶を喪失しており、自分が彼氏だと騙すこともできた。 「お大事に」と主治医と担当ナースに言われ、枡野とその両親、それに黒井が病院を後にする。  栗栖は、何食わぬ顔で、両親に挨拶する黒井の姿を思い出し、また怒りが込み上げてくる。  枡野の自宅のアパートを前に、一つのことを思い出す。  枡野の自宅には、栗栖と撮った写真が飾られてある。もしそれを見たら、栗栖のことを思い出すかもしれな。  しかしそんな希望もすぐに消え去った。  部屋には、栗栖と撮った写真は愚か、写真といえるものが何一つ飾られていなかった。  たぶん、黒井が事前に写真を処分したのだろうと、予想がついた。  今すぐに殴ってやりたいがそうは行かず、それから何もできないまま幾日が過ぎた。

コメント

コメントはまだありません。