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サンタが与えたもの ~ season2 ~ 第四夜

「彼女って、枡野愛だっけ?」 「そう。枡野愛の記憶を、取り戻して欲しい」 「記憶を取り戻しても、お前の死んだことは変わらない。それがどういうことか、分かっているか?」 「記憶を取り戻し、僕が死んだことを知ったら、落ち込むだろうな。落ち込んで欲しいとも思う。たった、2か月しか付き合ってなかったけど」 「それでも、記憶を取り戻して欲しい、というのじゃな?」  栗栖は頷く。 「それじゃあ、記憶を取り戻す代償として、お前の記憶の一部を頂く」 「死んだ人間の記憶を頂いて、なんの足しになるのか分からんが、それでもいいなら」 「それじゃあ」そう言って、幽霊となった栗栖の両肩に手を置き、栗栖もサンタクロースの目をじっと見た。  サンタクロースは肩から手を外すと、思い切り手を叩き「はい。彼女さんの記憶が戻ったよ」と言ってきた。 「ほんとに?」 「儂らは、嘘は吐かん」 「それじゃあ、彼女の家まで一緒に来てくれるか?」 「それは願いか?」 「頼みだよ」  サンタクロースは、ホッホッホ、と笑っていた。

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