旧祭り | 文字数: 584 | コメント: 0

ふつうではない一幕

「宮本、もうやめたらどうだ。こんな事をして、いったい何になる?」 「ただ手紙を受け取って欲しいだけなんです、佐々木先生。受け取ってもらえるまで、私もこの子たちもここを退きません」 「いや、分からん。どうして手渡しにこだわる?というか何故バナナの皮を敷き詰めている?どういった経緯でバナナを選んだ?」 「だって先生、見ていないところで渡したら捨てちゃうかもしれないじゃないですか」 「手渡しの理由は分かった。ちゃんと読むから安心してくれ。それで何故バナナの皮なんだ?」 「そんなこと口で言われるだけじゃ信じられません」 「俺が信用できないのか?宮本。ところで何故バナナの皮なんだ?」 「信用したい、けど、私この目でどうしても確かめないと気が済まなくて、不安が止まらないんです」 「なるほどな。分からんが分かった。そして何故バナナの皮なのかはこの際置いておこう。考えるだけ時間の無駄なようだ。 ときに宮本、授業がもうすぐ始まるんだが。そろそろいかないといけない」 「そんなこと知りません!」 「ヘイ学生!仕方がない。受けとるから通してくれ」 「ありがとう先生、私先生大好きです。大好きついでにお願いがあるのですが」 「どうした宮本」 「バナナの皮片づけるの手伝ってください」 「HAHAHAとんだ罠だ。あとで俺と一緒に職員室へと洒落込もうぜ」

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