日常 | 文字数: 666 | コメント: 0

はづきさんとのこと

 はづきさんは僕の年上のこいびとだ。とても可愛らしいひとであり、とても楽しそうに笑う人である。お酒が好きで、飲めば朗らかになりすぎる、朗らかになりすぎるから困る、それから、落ち込んだ時はとてもふかくふかくくらやみに舞い込んでしまう。そういった総体がはづきさんであり、そんな彼女を僕は好きだ。

 ところで、はづきさんは魔法使いである。それを僕にベッドの上で打ち明けた。はづきさんらしい月の歩みのような口調でとても小声で打ち明けた。「わたし、じつはまほうつかいなのよ」と。いつもの冗談かと思い、ふうんと答えた僕にはづきさんはふくれた。ほんとうなのよ、そう言ってもういっかいふくれた。

 しかしながら、かのじょはほんとうに魔法使いであった。

 なぜならば、冬が訪れたあの日だ。ちかちかした雪降りの中で、研究室で彼女は

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 ゆづきさんはとても可愛いひとであり、僕の年上の彼女だ。かのじょはとても楽しそうな声で笑うし、お酒が好きで楽しく笑う。それから、落ち込んだときにはとても昏い。そういった総体がゆづきさんであり、ぼくは、ほんとうに彼女のことがすきだ。愛してるといってもいいと思う。

 でも、彼女は僕のことなどそんな欠片もない、彼女は露ほども僕のことなんか好きではない。ふざけんなとも思うが仕方がない、彼女のそのときの眼を見ていたらしかたがなくなる。なにせ、彼女は謎をあいしているのだ。

 ところで、ここではそういったひとつの謎を開示しよう。それは、僕の研究室で起こった謎だ。

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