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サンタが与えたもの ~ season2 ~ 第五夜

 彼女の家に行くと、彼女はベッドで寝ていた。  黒井の姿はなかった。  少しうなされながら目を覚ました彼女は、ベッドから起き上がると徐に、ベッドの下を捜索し始め、1つの箱を取り出し、蓋を開ける。  そこには、栗栖聖也と撮った沢山の写真やプリクラが詰まっていた。  その写真やプリクラを1枚1枚眺めていた枡野の目から、涙が零れた。 「私、とっても大事なことを忘れていたんだ」  すると、玄関のドアノブがガチャリと回り、黒井が姿を現した。  その姿を見た枡野は、壁際まで後ずさりをした。 「どうした。そんなに怯えて。怖い夢でも見たか?」  何も話さない枡野。  床に散らばった、栗栖聖也との写真を見て「全部、思い出したのか?」と黒井が枡野に話しかける。  頷く枡野。そして「今日まで色々としてくれたことは感謝するけど、もうあなたとは別れたの。だから、出て行ってくれる?」そう言い放った。 「これからどうすんだ? 栗栖聖也もいなくなった今、お前一人だぞ」 「いなくなった?それどういうこと?」  しまったという顔を浮かべた黒井だったが「去年のクリスマス、俺が殺した」 「え!なんで」 「お前とこうして、よりを戻すために」 「私が交通時事故に遭い、記憶を失くし、好都合が続いたってこと?」 「交通事故は俺の差し金だけどな。まあ、記憶を失くしたのは、好都合だったな」黒井は笑った。  この一部始終を見ていた栗栖は、驚愕の事実を知った。それと同時に、枡野も。 「交通事故もあなたなの?」  そうだ。交通事故の犯人は捕まった、差し金とは一体なんのことだ。 「俺の知り合いに、金を出して、やってもらったんだよ」  枡野は無言で、黒井をじっと見つめていた。 「まあ、お前ともまたセックスできたし、このまま未練たらたらなのも、俺の性分じゃないし」そう言って台所の戸棚を漁り「お前も死んでもらうか」と、銃口を怯える枡野に向けた。

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