日常
|
文字数: 610
|
コメント: 0
ニジガエル
南方極小極才色の雨蛙の一種だが、
落ちてくる雨粒から雨粒へと、
落ちるより速く飛び移り飛び移りし、
上空めざし雲間に消えたかと思うと、
遠く離れた沼から沼。
時には海を越えてさえ、
大移動するという。
その様子が虹そっくり見えたことから、
死にゆくエイレイ兵士たちは、
ウワゴトでニジガエルと虚空を指差し、
息絶えた。
幻だったかもしれない。
でも一種の妖怪であり、
紛れもない一種の戦場怪談である。
コメントを投稿するにはログインが必要です。
コメント
コメントはまだありません。