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Chapter5 狂い出す過去③

《若葉視点》  お姉ちゃんを先に行かせて、ハングマンと戦っていた私達。  急ぎ足でお姉ちゃんの所へ向かう。  探し回っていると、見覚えのある姿が見えた。  そしてその奥には…。  「お姉…ちゃん…?」  そう。  お姉ちゃんが、仰向けになって倒れていた。  もしかして…。  「大屋!黒沼!」  私は彼らの名前を呼びかけ、彼らは振り返った。  「あら、松浦の妹と西園寺じゃない。」  「お前らが姉貴を?」  「別に殺していないわ。叫び声を上げて倒れただけよ。」  「…お姉ちゃんに何をしたの?」  大屋と黒沼を睨みながら、私は問いかけた。  「それが知りたかったら、姉の所に行ってみたら?」  そう言われたので、仕方なく近付いてみる。  「…若葉、これ…。」  涼介君が見つけて手に持っていたのは…。  松浦一家の家族写真だった。  「…!」  …そうか。お姉ちゃんはこれを見て倒れたんだ。  そう思った私は、鬼のような形相で大屋達を睨んだ。  「どこでこれを手に入れたの!?  どうしてお姉ちゃんのトラウマを蘇らせたの!?」  お姉ちゃんはずっと、この事で苦しんでいた。  それを大屋が知っていたなんて…。  「あんたも知ってるはずよ?何で私がこれを知っているのか。」  「まさか…、あの時…!」  私はこう思った。  両親を殺したのは…。  今目の前にいる、大屋佐江子だと。  「私ね、あんたと初めて会った時、あんたとあんたの姉の両親の顔を思い浮かんだの。  あんた達は…、松浦家の子供だって。そう思ったのよ。」  「大屋…!!」  私は神楽刀を構えようとした時。  「…若葉、ここは体勢を立て直そう。」  「何で?こいつは、私の両親を殺したんだよ…?  そんな事聞いて!黙っていられる訳ないでしょ!?」  「今の状況を考えろ!姉貴は倒れてんだ!  そんな状況のままで!お前が大屋に挑んだらどうなる!?  お前が死んだら!姉貴も殺されるかもしれないんだぞ!!  それでいいのか!!?」  「っ…!」  …確かに、そうかもしれない。  もしも私が無理に大屋に手を出したら、確実に殺されるに違いない。  そして姉妹共々死んだら、涼介君はどうするか…。  「何なら今回は戦わなくてもいいけど?」  「うっ…。」  「…だからよ…。」  「……。  …わかった…。」  仕方なく私は、今回は戦わない事にした。  「…でも、私は諦めないから。」  「ええ。楽しみにしてるわ。」  大屋はそう告げ、黒沼と一緒に行ってしまった。 《涼介視点》  俺達はあれから、姉貴を巣へ置きに行った。  途中から俺は姉貴の行きつけのコンビニに行った。  下水道へ行き、姉貴の巣に辿り着いた。  「…!涼介君…。」  「…姉貴、今どんな調子だ?」  「まだ気絶したまま。」  あれから姉貴は、目を覚まさないままでいた。  「…なあ、若葉…。」  「ん?」  俺は、どうしても若葉から聞きたい事があった。  「あんたらの方で何があったのか、教えてくれないか?」  そう、姉貴達の過去。  何故大屋は、姉貴達の両親を殺したのか。  それが気になっていた。  若葉は、口を開いた。  「…私達がまだ小さかった頃…。」

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