旧同タイトル | イベント: 同タイトル | 2020年10月 | 文字数: 662 | コメント: 0

10月はカットします

10月は死者が街を練り歩く。多分、そのはずだ。 手をみれば、指輪と骨。私は死者だった。この夜は悪魔の夜。 私は誰? 誰か私を見つけて、私を名付けて。 鏡は見たくない、見ればもう思い出せない。 二つ進んだ、袋小路、優しい月。誰かがそこにいた気がする。 夢を見ている。今夜は黄金の夜。死者の夜。 誰か私を見つけて、そうしないと、もう思い出せない。 横をみれば、ネズミと猫、たくさんの肉と骨が動いている。 目の前に少女が二人がいる。手を伸ばすと逃げていく。 スマフォで私を撮っていた。懐かしい、きっと私もそうしていた。 顔布をした人が道の両脇でこちらを見ている。顔は見えない、あちらからは見えるのに、 あぁそうか、見えたら私達が連れて行くから、だから顔を隠している。 10月の夜に神はいない、悪魔の夜。 この日は存在しない、カレンダーに描かれない。無いはずの日。 私達がいることを許される夜。 私は誰? 誰かが私を見ていた、男性だ。顔は布で見えない、でも多分泣いていた。 あぁ、貴方は私を知っているのね。 私は何だった? 答えはない、知ってしまうと行けないから。 悪魔がこっちを見ている。もういいわ、ありがとう。 今日は無かったことになるのでしょう? でも私のことは誰かが覚えていることを知れたから。 それでいいの、いい気持ちよ。 夜が終わる前に、いるべき場所へ。 一人で行くの。

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