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10月はカットします

10月は死者が街を練り歩く。多分、そのはずだ。

手をみれば、指輪と骨。私は死者だった。この夜は悪魔の夜。

私は誰? 誰か私を見つけて、私を名付けて。

鏡は見たくない、見ればもう思い出せない。

二つ進んだ、袋小路、優しい月。誰かがそこにいた気がする。

夢を見ている。今夜は黄金の夜。死者の夜。

誰か私を見つけて、そうしないと、もう思い出せない。

横をみれば、ネズミと猫、たくさんの肉と骨が動いている。

目の前に少女が二人がいる。手を伸ばすと逃げていく。

スマフォで私を撮っていた。懐かしい、きっと私もそうしていた。

顔布をした人が道の両脇でこちらを見ている。顔は見えない、あちらからは見えるのに、

あぁそうか、見えたら私達が連れて行くから、だから顔を隠している。

10月の夜に神はいない、悪魔の夜。

この日は存在しない、カレンダーに描かれない。無いはずの日。

私達がいることを許される夜。

私は誰?

誰かが私を見ていた、男性だ。顔は布で見えない、でも多分泣いていた。

あぁ、貴方は私を知っているのね。

私は何だった?

答えはない、知ってしまうと行けないから。

悪魔がこっちを見ている。もういいわ、ありがとう。

今日は無かったことになるのでしょう?

でも私のことは誰かが覚えていることを知れたから。

それでいいの、いい気持ちよ。

夜が終わる前に、いるべき場所へ。

一人で行くの。

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