旧祭り | 文字数: 3560 | コメント: 0

世界征服するっ!

私は、赤星国の農村にいる。 ピンと跳ねたアホ毛がトレードマークの算数の教師。 夢がある。 赤星国の人々を豊かにする、との夢。 野心がある。 金持ちになる、との野心。 SOREを実現するため、私は商売と言うものを、考えた。 商売とは、物の売り買いの中で利益を得ること、だろう。 青星国のAmasonは、ネット上で、物の売り買いから手数料を取る商売であるからして、商売の王道と言える。 そして事実、儲かっている。 MOSI、このビジネスモデルを真似して、我が赤星国で同じことを行えば、爆発的に売れ、莫大な利益を得れるはずだろう。 NAZENARA、赤星国は、全世界の中で圧倒的な人口を誇っており、尚且つ今は高度成長期の真っ只中であるので、多くの民は小金を持っている。 小金持ちは、物が欲しい。それを狙って物を売り、稼ぎたい人がいる。 But、赤星国では、うまく買い手と売り手の出会えていないのが現状だ。 買い手はいるはずなのに探せず、売り手がいるのに探せていない。 赤星国には売買の手助けが必要ではないだろうか。 逆に言えば、うまくいっていない現在の状況はチャンスではなかろうか。 赤星国は、大きな伸び代のある不成熟な市場。 私は、早速、算数教師を辞めて、都市へ出て、起業した。 打って出た訳だ。 ビジネスモデルは、基本、青星国のamasonのパクリのようなネット販売サイトだったが、国の事情が異なること、競合するebeyやamasonに競り勝つため、amasonの丸パクリのビジネス形態ではなく、少しアレンジした。赤星国に合うようなカスタマイズをした。 具体的には、出店料を無料にした。個人や小さな店舗が手軽に販売できるように。 次に、売買が成立した際に、手数料を取らないようにした。 手数料が無いため、競合する別のサイトより、より安く商品を販売できる。 ココで販売する人が増える計算。 収益については、 有料な広告と、 有料な販売分析オプション、 から得る。 元教師が始めた売買のマッチングシステムは、瞬く間に、爆発的に、赤星国で人気を博し、旋風を巻き起こした。 赤星国に進出していた大手のオークション会社のebeyなどは、完全にシェアを奪われて、撤退を余儀なくされた。 赤星国の一世を風靡した。 KONOシステムを作った、元田舎教師こそ、馬鈴・薯〔ジャガイ・モー〕であった。 馬鈴薯はこの便利な売買のマッチングアプリを、酸素、と名付けた。 馬鈴薯は、さらに、キャッシュディスペンサーなどが整備されていない我が国赤星国の状況に目を付けた。 馬鈴薯 「我が国も、白地赤丸国のように、街のいたるところに、キャッシュディスペンサーやATMがあれば、お金が引き出せて、便利なのになあ。ん、不便?」 ビビっ!  馬鈴薯 「不便とは、ビジネスチャンスでは無いか? そもそも、お金って、お札やコインは必要なのか?」 馬鈴薯は、キャッシュレスシステムの開発に乗り出した。 MAZU、既に普及しているクレジットカードを検討した。 クレジットとは、信用であり、信用がない未成年や低所得者にはクレジットカードは作れない。 クレジットカードとは、信用がおける人にだけカードを渡して、ツケで物を買ってもらい、口座から後で引き落とすシステム。 馬鈴薯 「違う!コレでは無いんだ!皆が、庶民が使えるモノでなくては、普及しない。未成年や低所得者でも使える奴!無いかー、なにか無いかー?くうう。」 ドスンドスン 良いアイデアが浮かばない、馬鈴薯は地団駄を踏んだ。 SOSITE、イライラしている馬鈴薯は気分転換に、スマホゲームで、ガチャを引いた。 引いたのは、Bクラスの「発酵人間の噂」であった。 馬鈴薯 「また、発酵人間の噂かよー、これ使い方が、分かんねーんだよ! そもそも、何だよ発酵人間って。人間はチーズや納豆じゃねーぞ! しかもこのヘンテコリンなカードをゲームでどう使えってんだよ? あっ!?」 HEADの上の方から、声が聞こえてきた。 天啓である。 「ジャガー。ジャガイモ、やー。  お前、いったい、何をイラついている。今、神である私が答えを授けたでは無いか?  スマホを、使えば良いではないか?  スマホで、決済すれば良い。  スマホで、お金をチャージじ、チャージした範囲内で、支払えるシステムを構築すれば、取りっぱぐれは無い。  そうすれば、別に信用も要らない。  だろっ?  いま、お前がスマホ内で、チャージした電子マネーでガチャを引いたように、チャージしたお金で売り買い出来るようにしたらいいのじゃ!」 10月の夕暮れ時(サンセット)の天啓であった。 馬鈴薯は、灯台下暗しとは、この事だと思った。スマホに答えが書いてあったと。 早速、馬鈴薯は、スマホで、お金をチャージでき、チャージしたスマホから支払えるシステムを構築した。 SOSITE、もちろん、取引やシステム設置の手数料はゼロにした。 馬鈴薯は、赤星国で、このシステムを広めた。 ・スマホさえ持っていれば、買い物が出来るサービス。 ・信用がなくても、利用できるサービス。 ・現金を引き出しにくいインフラが不整備な国。 ・システムの利用料・基本料が0円。 KOREらが相まって、赤星国で、このキャッシュレスシステムは受けた。爆発的に・広く普及した。 MATA、このシステムからの収益については、 ・チャージされたお金を引き出す際 ・チャージされたお金を振り込む際 に、0.1%の手数料が掛かるようにした。 TUMARI、人知れず・コッソリと収益を得ることにした。 KONOシステムは、赤星国に深く浸透し、小さな焼き芋店・小さな肉まん屋でさえも、この馬鈴薯のサービスを導入するようになった。 馬鈴薯はこのシステム、このサービスを、十月太陽沈、と名付けた。 馬鈴薯は、 ・人間は無料が大好き ・損して得とれ ・不便は好機(Inconvenience is an opportunity) によって事業を成功させ、成り上がったのだ。 結論から言おう。 酸素や十月太陽沈で、派手に稼いだ馬鈴薯は、現在、再教育を受けている。 調子に乗った馬鈴薯は、赤星国の首脳陣を幼稚園児と罵った。現在、馬鈴薯はその報いを受けている。 否、再教育を受けている。 TOMOKAKU、現在の馬鈴薯は、頭に生やしたアホ毛を、自分では整えることすら出来ない状態になっている。 国のトップに立ち、舵取りをする熊子風山には、夢があった。 世界を征服するっ!、と。 SONOTAMEに、国民には、 ・適度な自由 ・適度な夢 ・適度な稼ぎ を与えた。 国力を高めるために、国民に自由を与え、夢を見せた。多くを稼がせた。 国力を高め、GDPを上げて、赤星国が青星国以上の国、赤星国こそが世界一の国であることを、世界に向けて、アピールしたかった。 MATA、寛大で・クレバーな風山は、国力アップのため、ある程度は国民を自由に泳がせて置くが、牙を剥くようなゴミクズへの対処は、とても早かった。 風山は、図に乗り、適度を超えて、出過ぎた国民をゴミクズと呼び、迅速に除去した。 風山はリビングのカーテンを開けた。 雨上がりの大きな庭の芝生は、キラキラと輝いていた。 SURUTO、庭の奥の小さな小屋の中から、動物がヒョコと姿を現した。 動物は、風山の姿を見つけると、チョコチョコと駆け寄り、主人の登場がよほど嬉しかったのか、風山の足に頬を擦り付けた。 風山は、その動物を撫でた。 SOSITE、動物の頭からピョンと跳ねたアホ毛をハサミで切って(カットして)あげた。 リビングで流れるTVのモニターには、アホ毛を生やした動物が、何かしらをしゃべっていた。 どうやら、そのニュースは、久しぶりにその動物が現れたものだから驚いて、取り上げたようだ。 SIKASI、それは生放送ではなく、以前に撮影されたビデオレターのようであった。 TONIKAKU、その動物の目ときたら、とてもウツロで、薄気味が悪いものであった。

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