旧祭り | 文字数: 388 | コメント: 0

求めよさらば与えられん

 珠美は思わずほくそ笑んだ。行き遅れた珠美には若白髪まで出てきてしまっている。  とうとう私にもモテ期が来たのかしら。 昨日といい今朝といい、好ましく思える二人の男の人からメールやらラインやら来るではないの。 まぁ同時に二人から一緒になろうなんて言われたらどうしよう・・・ 深層意識の研究でもして、どちらを選ぶべきかなんて迷わなくてはならないか・・・    こう舞い上がったときには、冷静にならなくてはならぬ。 そうだった、昨年そうそう珠美はある難局に立ち向かい、ヘルプを求めてあの二人に メールを送っていたのだ。 突然頼られたふたりは当惑しつつも、珠美を心配してくれたのだった。 自分のまいた種だったのか。  こうして珠美は冷静になっていく。 私には劇的な短編小説は書けない。でも苦しいときにはまた誰かに頼ってみようかなと、珠美は思うのであった。

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